承認欲求の女の最大の罪②

   昔。

 

 昔の女性は皆清楚だったという考えが一般的だが、好きではない男性と結婚していた。

 この矛盾も、長年私の疑問だった。

 

 家庭に恵まれていない人が多く、恋愛が成立しやすかったとはいえ、若年期の成婚率の高さからしてそうではない夫婦も大勢いただろう。実際、好きではなかったとはっきり証言する人もいる。

 男が女に同情せず、苦労人が大勢いたことを踏まえると、多分……

 

 昔、特に貧しい時代は、女性が信じられないほど強姦被害に遭っていたのではないだろうか。

 

 『犬神家の一族』の映画で松嶋菜々子氏が演じる女性が男に襲われるシーンがあったが、そういったことが現実にも頻繁に起きていて、女性が独り身でいるのは危険なことだった。

 昭和初期は被害者が未成年でなければまともに取り締まっていなかったらしいし、女性が妥協して結婚する下地だったのかもしれない。

 

 そして、現代に至るまで、昔の常識から考えれば信じられないほど独り身の女性は強姦されることが決して0ではないが少なくなった。というより、現代の結婚は性犯罪の防犯機能がほぼない、という見方が正しいのだろうか。

 

 取り締まりが強化されたこともあるのだろうが、最も大きいのは安価なポルノ商品の流通? それとも苦労人、いや不健全発達の人間が多かったから?

 理由はわからないが、ひとまず大勢の女性が救われたわけだ。

 

 しかし同時に、好きではない男と結婚する理由もなくなってしまった。