恋愛の法則②

 人は特性の全く異なった相手に恋愛感情を抱く。

 少なくともどちらか一方が苦労人でなければ、恋愛が成立することはめったにない。

 

【特性の異なった相手】

 棲む世界の違う人間と恋に落ちる。特性の全く異なる人間同士が結ばれる。

 

 私がこの説にこだわるのは、現実のカップルがこの説にあてはまりやすいということだけではない。

 血筋の近い者同士は、障害者が生まれやすいということが知られている。実際、法律上でもいとこ関係よりも血のつながりの濃い者同士の結婚を禁止している。

 その事実は、恋愛とは強い遺伝子をつくるために特性の異なる人間同士の間で発生しやすいという仮説に沿ったものだと思う。

 

 特性の異なる人間同士。一緒にいて、苦労が伴うのは当たり前ではないだろうか。

 

 昔、恋愛は秩序を乱すとされていたとも言われるが、されていたというよりむしろ、現実の恋愛カップルを観察して出た素直な感想だったのではないかと思う。

 

 恋愛は昔禁止されていたとも言われているが、そもそも禁止するというのは大変な労力を伴う。まあ、生体反応の一つなので、禁止してもそこここで発生していただろうが。

 

【少なくともどちらか一方は苦労人】

 私が見つけた、恋愛のもう一つの法則である。

 

 家庭に恵まれていない、障害者、性的マイノリティ、など例に挙げてきたが、この文章を読むことになった方は今一度現実のカップルや夫婦を見つめ直してほしい。

 

 結婚した。でも、相手は浮気性だった。暴力があった。性的マイノリティを隠されていた……。

 結婚した。相手に不満はない。でも、親が面倒な人だった。トラブルメーカーの兄弟がいた。障害があり、普段の生活が決して楽ではない……。

 

 何かないだろうか。苦労、もしくは多数派ではない特性(障害、性的マイノリティ、超がつく変わり者など)、そのどちらかが。

 

   人間はある程度の年齢になれば、恋愛をし、結婚をして子どもを産む。

 

 そのような常識を持つようになったのは、苦労や際立った特性のない、いわゆる「普通の人」も恋愛の世界には大勢いるからではないかと思われる。

 

 そして多分、現代は家庭での苦労人が減っていったことが、恋愛と結婚が減った最大の原因ではないかと考えている。